アリスとテレスの矢

考え事が多いもので。

食べてみないと分からない味

イムリーな話、昨日久しぶりにカニを食べました。前回食べたのはいつだったか覚えていないくらい滅多に食べるものでもないので、楽しみな一方でカニってどんな味だったっけ?と思いながらお店に足を運びました。

要予約のフルコースでしたが、結果的にデザートのメロンを除いて最初から最後までカニ尽くしでした。それこそ、次食べるのは味を忘れた時でいいかなと思うくらい。

最初に出てきたのはスタンダードな茹でガニでした。これは知っている味。食べれば直ぐに思い出す、いわゆるカニの味。旨みが凝縮されていてとても美味しかった。

次に出てきたのは焼きガニでした。これは食べたことはなかったものの予想できる味。茹でガニに香ばしさを足したもの。寿司屋で赤エビの炙りを食べた時の感覚で予想がつきました。個人的にはこれが1番お気に入り。

最後に出てきたのはカニ刺しとカニしゃぶ。これも食べたことがなかった上に予想もつかない味。甘エビっぽいのか?いや、でも身は塊というよりは花が咲いているような見た目だし...。それなりの量出てきましたが、結局完食する最後まで自分の中でこれがカニであるという認識を当てはめきれないままの味と食感でした。ツブツブ感を伴った歯ごたえに甘エビのようなツルッとした舌触り、然して身は旨みの塊。ぜひ一度食べてみることをおすすめします。

さて、前者2つは美味しかったのはともかく、カニ刺しとカニしゃぶは美味しいのか美味しくなかったのかすら判断がつかないといった具合でした。

でもこれで実際に食べたという経験を得たことで、おそらく次食べる時には両者の味の評価が出来るようになっているはずです。いや、もしかしたら次食べる時もわからないかも...。

そもそも、食べる前から美味しいか美味しくないかなどはわかりませんね。なのに食わず嫌いという言葉があるように、口にしてもいないのに美味しくないと決めつける人がたくさんいます。

食事に限った話ではありません。ちゃんと観たこともない映画をこき下ろす人、会ったこともない人を毛嫌いする人、乗ったこともないクルマを駄作と貶す人などなど。

なんでもちゃーんと味わって、できれば何回か食べてから、もっと言うと他の似たようなものも何種類か食べてから、美味しいか美味しくないか評したいものです。

また、カニ食べに行かねば。