アリスとテレスの矢

考え事が多いもので。

良し好しこよし

「あれは、良いものだ…!」

 

ギャンってクセになるデザインだと思いませんか。後のティターンズネオ・ジオンのMSに通じるゲテモノ感というか。

 

当のマ・クベはあのデザインを良いと思って採用したのか、西洋甲冑っぽさが好きであの形にしたのかは定かではないのだが(おそらく後者)、こと好き嫌いと良し悪しというのは似ているようでよく相反するものだなとつくづく思う。

 

例えば、僕はR32のGT-Rが好きだが、総合的にみてとても良い(not so good)とは思っていない。

 

30年前の車なのに数百万円もするし、壊れる割に部品は高いし、盗難率も高いし、などなど。

とても万人に薦められたものではない。

 

ではなぜ乗っているかと言われたら、好きだからであってそれ以外にあるいはそれ以上の理由はない。

好きでなければ乗らない方が良いだろうし、工業製品としてのスペックを考えればR35の方が圧倒的に良いのはアフターファイヤーを見るより明らかだ。

 

良し悪しに理由はあっても、好きに理由はない。

(もし、何かに対して「〜だから好き」ということがあれば、それは良し悪しで判断しているケースが多いように思う。)

 

そもそも、良し悪しは客観的事実に基づくのに対して好き嫌いは主観的な心理から生じるものであるから、微妙に比較できるものでもない。身長189センチの阿部寛と体重90キロのサンド伊達を比べてどちらが大きいかと言っているようものだ。そう、微妙なのだ。

 

微妙だからこそどちらの基準で判断しているかが明確でない二者が対立したときにトラブルを招きがちだし、自分でも好きなのか良いなのかよくわかっていない人も多いと思う。

 

今一度、自分の胸筋に、ではなく胸に「どっちなんだい!」

と問いかけては如何だろうか。